三 昭和十六年の夏になつて、ある日H君といふ若い人が訪ねてきた。會ふのは始めてだが、私がいつか書いた印刷文獻に關する隨筆が縁になつて、「本邦活版開拓者の苦心」といふ書物を送つてくれ、二三度文通したことがある。H君は關西の人だが、最近上京して…
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