作者言

作者言、pp.407-412

この小説をどういふ氣持で書くやうになつたかは、作の中で述べたつもりである。 しかし、ありていのところ、書く以前も、書きはじめてからも、しばらくは混沌としてゐた。本木昌造だけの傳記的なものとするか、活字ないし印刷術の歴史を中心とするかについて…